起立性調節障害とは
小学生~思春期世代によく起きるとされています。そもそも寝ている状態(臥位)から起立に至る場合というのは、足の方に血液が移動している状態です。そのため起立時は、一過性の低血圧状態となっています。ただ圧受容器反射(交感神経の亢進)によって、心拍数が上昇するなどして血圧が低血圧状態から回復するようになります。
ただ自律神経が失調していると、圧受容器反射というのが機能しにくくなり、血圧低下の状態が続き、立ちくらみ、めまい、全身倦怠感、頭痛などの身体症状がみられます。また朝起きるのが苦手、集中力の低下といった症状もみられるようになります。
発症の原因に関してですが、思春期になると、ホルモンバランスの変化、急激な身体の成長というのが起きるようになります。これが自律神経の働きを悪くするということがあります。また遺伝的要因によって引き起こされるというケースもあるとしています。
ちなみに精神的ストレスは直接的な原因とはなりませんが、症状を悪化させる要因になります。このほか、体内で水分が不足している、日頃の活動量が低下しているという場合も症状の悪化につながるとされています。
治療について
起立性調節障害による症状が強く出ているのであれば、薬物療法として血圧を上昇させる働きをする薬として、交感神経作動薬や血管拡張薬などを使用していきます。
日頃の生活習慣を見直すことも大切です。具体的には、朝・昼・晩の三食の食事を規則正しくとります。また適度な運動をしていくのも欠かしません。ハードな量は必要ではないですが、中強度の有酸素運動(ウォーキングなら30分以上)をできれば毎日実践していきます。また睡眠をしっかりとれるように22時以降は、スマホやゲームを止め、0時頃までには就寝するようにして下さい。
このほか立ち上がる際も注意が必要で、いきなり立ち上がるような状況は避けます。この場合はうつむき加減でゆっくり立つようにし、頭は最後に上げるようにして下さい。